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自然の生命を鼓動で感じる

いのちを揺さぶる音楽をききながら車をとばして 自然と溶け合う生命の鼓動を感じよう

LUNA SEAのsugizoさん

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ーまずsugizoさん自身は、どういうアルバムだと思われますか?

無邪気。そして純粋で瑞々しいなと。その理由もわかっているんですけどね。
この楽曲たちの生まれ出る発端が、そもそも商品を考えたものじゃなかったから。
ーとにかくピュアな動機だったということですよね。
そうですね。それが大きいのかもしれないですね。2010年の初旬から何年かにかけて、自然発生的に曲たちが生まれてきたんですよね。あたかも結成したてのバンドみたいに。だから曲が今の自分たちの存在証明なんですよね。今の自分達が本気出したら何ができるかって事を知りたくて音を生み始めて、結果的に今アルバムにまとめるってことになった。
だからLUNA SEAの2回目のファーストアルバムだと認識していますね。普通のアーティストはセカンド以降、アルバムってことを目的において楽曲制作をする。でも結成したてのバンドっていうのは音楽が存在証明そのものですからね。こういうチャンスは、普通にバンドやっているとなかなか訪れないよね。もう二度とないと思うんですけど、LUNA SEAの最後のファーストアルバムが出来たなあと思っていて。

ーなぜ、音楽やロックの酸いも甘いも知っている皆さんが、これだけピュアなアルバムを作れたんでしょうか?

これは感謝の気持ちが詰まったアルバムなんですよ。とにかく感謝と愛情が詰まったアルバムなんですよね。まず、25年間ロックバンドをやってこれていることへの感謝。で、自分達が五体満足で今でも一緒に音を出せることへの感謝。一緒に動いてくれている人への感謝。全てがもうありがたいんだよね。これは20代のバンドにはわからないと思う。今これができるってことへの感謝なんですよ。逆に言うと奇跡に近いと思ってる。まず、5人が元気に生きていることが奇跡。特に俺はあまりにも多くの友人が死にすぎてね。大事な友人、大事なミュージシャン。5人がこうやって元気にいられることへの奇跡を感じずにはいられない。その奇跡に感謝しますね。で、いつも言うけど、これが地元で集まったことへの奇跡も含めて
sugizoさんにとって、LUNA SEAでロックを作る。LUNA SEAというバンドで活動するというのは、大きな喜びの反面、体力的な消耗や精神的な負荷もあると思うんですよね。それでもなおこのLUNA SEAと向き合い、最終的にアルバムを完成させるまでに至った根本的な動機とかモチベーションはどこにあるんでしょうか?
それはさっきと重複するんですけど、やっぱり感謝ですかね。この奇跡に対する感謝かな。だから、この奇跡を全うしないと罪になると僕は思うんですよね。もちろん、その分の精神的な負荷やプレッシャーはあって、実は毎日胃に穴があくほどきついかもしれない。で、ここまで長くやっていると各時代をリスペクトするファンの人もいて、今の動向が気に入らない人もいるだろうし。そしてわかりやすくアイコンになってしまっている部分があるからネット上ではネガティブな言葉も駆け回っているし、そういうものを目にしちゃうと胃に穴があくよね。でもそれはね、ロックバンド続けてるとそうなるんですよ。
これが例えば一国の総理とか大統領レベルになるとこんなもんじゃないでしょ(笑)
結局は人前に立つ身としてこれは避けられない運命なのでそれはしょうがないと思ってるんですけど、重圧はありますよ。体力も必要ですよね。ステージに立つ時は僕らはこの風体でなければいけないと思うしね。年を取って劣化しちゃいけないんですよ。それでも、今、この奇跡を自分達が体現しているんだっていうことへの感謝としか言えない。それを全うしないと罪になるとしか言えない。
ーこれだけの規模のバンドを前進させていくことっていうのは、音楽的なクリエイティビィティーというよりは、ある種の奉仕のような動機があるといっても過言ではないですよね。

奉仕、わかりますね。自分の自己顕示欲とか表現欲を超えた奉仕って気持ちはわかりますね。同時に、存在することの意味。だから音楽のディテールとか、ましてや演奏技術とかどうでもいいんですよね。そういう問題じゃなくなってくるんですよ。もちろんディテールやクオリティとかにはものすごくこだわるんですけど、実はどうでもよくて。ロックバンドってそこじゃないんですよね。
このメンバーと音を出すこと。それが全てなんですよね。
LUNA SEAだったらこの5人がいる。どのバンドも各メンバーで音を出し合い、その音そのものがバンドなんですよ。楽曲もクオリティもディテールも、その次でいいんですよね。だからLUNA SEAも、今は形とかはどうでもよくて。5人で音を出し合って火花を散らし合うっていうそのものが大事、そういう割り切った感覚ですよね。これだけこだわりが強く、キャリアを積んだ一流のミュージシャン5人が、ディテールまでいちいち自分の理想通りに、設計図通りに作ろうとすると簡単に崩壊しますよね。大事なのはそこじゃない、5人で出し合うことだと認識しています。
sugizoさんがその境地になれたのって、ごく最近ですか?

凄く大きかったのが、2007年の一夜限りの復活でしたね。そこまでは、2000年代のLUNA SEAは思い出したくもなかったですからね。

ーそれは自分の考えてた理想のフォルムにLUNA SEAが近付いてないっていうことへの苛立ちから?

そうですね、当時はみんなフォルムが思うようにいかないから切磋琢磨もするんですけど、言い合いもして。そして崩壊しますよね。ディテールにこだわればこだわるほど、音楽性の違いってものが大きな妨げになる。でも、この人間同士のぶつかり合いが一番重要なんだって事がわかると、音楽性の違いっていうものは何とでもなるんです。だから2007年、久々に音を出した時に問答無用でやるべきだって思いました。
ー凄い!
それはメンバー皆が口を揃えて言うはず。とにかく、こいつら凄いと。やっぱりやらなきゃ駄目だと。で、凄いラッキーな事にこれが俺のホームなんだ。自分達が作ってきたものじゃん、これっていうことに気づいたんですよね。
ーいわゆる機能的な音楽が全盛の時代において、LUNA SEAのスタンスっていうのは真逆であるからこそ、輝きを放っていますよね。

ありがとうございます。ご存じのように、僕も機能を駆使する、遊ぶ、実験をする音楽って好きですよ。ただ、言える事は、これはいい/悪いじゃないですよ。機能を重視したり、追求して作った音楽はすぐに古くなるんですよ。例えば2007、8年のボカロはもう古くて聴けないかもしれないよね。もしくは、それがレトロでいいって既に懐かしむものになってしまう。で、LUNA SEAがやってるような、またはbridgeやJAPANに載っている多くのアーティストのプリミティブな音楽は多分古くならないですよね。どっちがいい/悪いかではなくて、種としてそういうものだと思っているので。だからロックバンドは、おそらくどんな時代になっても僕は存在すると思うな。多分100年後も、500年後も、ドラムがいてベーシストがいて、ギタリストがいて、シンガーがいるっていうこの構図は、やっぱりかっこいいからね。それはどんなに機能や表現の技術が進化してきてもクラシックとして古くならないと思う。そういうロックバンドで音を奏でる歓喜ってものが今回のアルバムには詰まっているんですね。
ーそして、このアルバムは今のこの時代に、どういうテーマやどういう波紋を投げかけると思いますか?

実は今日も頭きてるんですよね。秘密保護法の強引な可決の仕方に。国民の多くは知らない、もしくは反対していますよ。とにかく乱世なんですよ。政治と国民が。。
きな臭い世の中ですよね。で、そういう世の流れやうねりに対してロックミュージシャンは発信しなくちゃいけない。何かしらの思いをね。で、僕が思うに、こんな不穏な世だからこそロックバンドは光に満ちたエネルギーを発信したいんですよ。未来を良き方向に創造したいし、引っ張りたい。だからこそ、このアルバムが出来たのかもしれない。それこそ90年代にレイジが斬新な言葉を使って罵倒したことが、今は必要じゃない気がして。今は良き時代が訪れるための陣痛なんだと思いたいし、思っている。そういう意識ですかね。かといってロックバンドはこの時代の不穏な空気から目を背けちゃいけないとも思っていて。そこは世の流れにストレートに反応しますよね。ただLUNA SEAはあくまでもその先を見て光を伝えたいです。
ー今、sugizoさんがおっしゃった曲のイメージがアルバム冒頭のAnthm of Lightに象徴されてるなあという感じがしますね。

今だからこそ、威風堂々とした、輝きが必要なんじゃないかと思ってます。これを聴いた途端に、これは1曲目じゃないと駄目だと思って。

ー改めてロックバンドの意義や役割を認識出来るアルバムですよね。

うん、いわゆる青春の魅力ってロックバンドに詰まってるわけじゃないですか。この年になっても、それを忘れたくないし、それを伝えたいな。で、大事なのは、いちミュージシャンの人生において自分のロックバンドっていうのは一回しか出来ないんですよ。例えば、それなりに成長してきた大人のミュージシャン達が、すげぇバンド作ろうぜって集まったスーパープロジェクトがあったとしても、そのプロジェクトはロックバンドじゃないと思うんだよね。それこそ10代の頃から一緒にドロドロになって転がり続けて、お互いに切磋琢磨し合い、傷付け合いながら成長していって大人になっていく、その居場所がロックバンドなんだよね。僕はプロのミュージシャンとして、アーティストとしてこれからも色んな音楽を作っていく。でも自分にとってのロックバンドってLUNA SEAしかないんですよ。だからロックバンドって、自分が物事をわかってからコントロールして生めるものじゃない。知らない時に始まり、転がりながら自分が吸収して成長していくための場なんですよね。だから後輩のバンドに相談された時に、おまえにとってのロックバンドは絶対にこれしかない。解散しちゃだめだよ。って俺は言うんだよね。しんどかったら一年でも三年でも十年でも止めていいんだよって。いつか絶対にこの自分の居場所がどんなに大事かってことがわかるからってことを、自分の経験を盾に言っています(笑)
ーそれは説得力ありますよ(笑)
そういうロックバンドの熱さ、スリル、感動は、中学生や高校生でも共有できる。そういうピュアネスを伝えたいですね。それこそ今ボカロを聴いてる人達にもLUNA SEAのロックバンドの煌めきを感じて欲しいと思いますよ。

sugizoさんの言葉、いつも重みを感じます。
楽曲にも懐の深さを感じますし、歳をとるごとに厚み、説得力が増してると思います。
世の中の事を考えて、自分が何が出来るかいつも考えてるんですね。