自然の生命を鼓動で感じる

いのちを揺さぶる音楽をききながら車をとばして 自然と溶け合う生命の鼓動を感じよう

LUNA SEAのRYUICHIさん

LUNA SEAの15年前の終幕について

諸説があって、バンドは終幕すべきだった/すべきじゃなかったっていうのは、メンバーによって微妙に違うかもしれない。そしてLUNA SEAっていうバンドに関わってるファンもスタッフも家族も、全ての人達が、あれでよかったのか?っていうのは今でも思い返しているだろうし、思い返す時期はこれからも来ると思う。でもあの時感じていた重苦しい空気の中で、もし作り続けていたとしたら、この13年目は本当の意味で一緒にいられなかったかもしれない。だからメンバーの仲が悪くなった/仲良くなったっていうのは本来どうでもよくて。僕はLUNA SEAっていう夢に潰されそうになって逃げ出したり、その夢に嘘をつきそうになって逃げ出したり、いろんな事があったと思うんですよ。
でも本当に毒が抜けて、俺たちにも余裕が出来、精神的にも成長した中で迎えたREBOOT後の第二期のニューアルバムは、凄く清い感じがして。本当に汚れた水を感じないっていうかな。
ー今回のアルバムは、とにかくハードなLUNA SEAが前面に押し出された最強のロックアルバムだと思うんですね。
一方で、ポップさを前面に押し出したアルバムみたいな構想も可能性としてあったとは思うんですよね。そこについてはいかがですか?

昔、僕がよく言ってたんですよ。白いキャンバスに青空を描いていたら、誰かが赤い筆を持ってきて、紫色の空になり、また誰かがカラスを描いたりしている(笑)。でもそれを見て、あれ?俺が描きたかった絵と違うけど、でもこれがLUNA SEAだと思ってしまうんですよ。例えば僕自身はヴォーカリストなんで、バンドのわかりやすい部分、ポップ寄りに立たなきゃいけないと思い続けている。だから伝えたいものの姿を明確に捉えている時であれば、バラードであってもミディアムであってもアップテンポであっても、日本中のポピュリズムを一手に集約するような曲をLUNA SEAはつくるべきだと思いますね。
そこは闘っていくべき。ただ、全体像としては、日の光の下にスッポリと出てしまうバンドには、ならないほうがいいかなとも思っている。
今のほうが居心地がいいし、僕らがやろうとしている場所は、他のバンドが目指さない場所だから。このLUNA SEAにしかいられない場所に立っているからこそ、そこを磨き続けて行くっていう事は大事だと思うんですよね。
例えばロンドンオリンピックの曲、いろんなアーティストが出てきたじゃないですか。で、メインの曲なんてめちゃめちゃ暗い。イギリス王室っていうと、華やかでコンサバティブでブルジョワで、とにかく品がいい感じなんだけど、選んでる楽曲があれですからね。で、あれが悪いとかじゃなくて、そこに僕は自由を感じたの。ただ日本の先輩達は、ロックをやろうと思って凄く苦しんだと思うんですよ。結局はポピュラリティーを提示していかないと、聴く人がロックまで来てくれない。それこそ日本でロックが市民権を得るまでは、なんだあいつ、かみのけ伸ばして気持ち悪いっていう時代がずっと続いていたんだろうし。でも最近はAKBでもそうだし、EXILEみたいなユニットもそうなんだけど、ロック寄りに振れた音楽が増えてきていて、それこそ20年前の日本のロックバンドよりギターが歪んでいたりするんだよね(笑)。だから日本も変わってきてるんだと思うんですよ。そういう意味でいうとロックに追い風は吹いている。ロックが本当の意味で、飴も持たずに鞭を振りかざしても、オーディエンスがついてくる時代、その幕開けが近いんじゃないかなと思う。

ーなるほど。逆に追い風が吹いている今だからこそ、LUNA SEAというバンド、5人という人間の存在を刻み付けるような本物のロックアルバムを作らなければならないという事ですね。

うん、例えばヴィジュアル系という言葉があり、そしてXがいたりLUNA SEAがいたりGLAYがいたりL'Arcがいたりして、いろんなバンドが出てきたわけだけど、僕がLUNA SEAっていうバンドに対して、否定しちゃいけないなって最近強く思っていることがあって。それはかみのけの先端から、指爪の先、足のつま先まで、あらゆる表現に対し、全神経を研ぎ澄ましてステージに立つっていうこと。もちろん演奏も我々は1流でどのバンドが来ても絶対にイケるよって思っているけど、見た目に対しても徹底的にこだわり続けてきたバンド、それがヴィジュアル系だと思うんですよ。それこそXを筆頭に、音楽に対してもの凄く貪欲で、ちょっとミスして気合いが足りないと殴り合うようなムーブメントの中に俺たちは身を置いてきたから(笑)。だからさっき言ってもらったように、本物の音って何だろう?って思った時に、それは、ただ正確という意味じゃない上手さだと思うんですよね。息吹というかね。それこそ若い奴ら真似してみなよ、絶対にこんなこと出来ないよっていうものを我々が作り続けていかなきゃいけないんでしょうね。

以上RYUICHさんの言葉です。
言葉の一つ一つから自然に揺るぎない自信と強い生命力を感じます!
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